今季ジュニア大会無敗で初出場ながら優勝候補本命の島田麻央(14=木下アカデミー)が71・78点で首位発進した。今季のジュニアGPシリーズのチェコ大会で記録した自己ベストを更新。名前の由来にもなった浅田真央の記録を約1カ月更新する、14歳4カ月の日本女子最年少での戴冠が見えてきた。

「調子が上がらなくて不安だったんですけど、練習通りの演技ができて良かったです。久しぶりに『シーズンベスト』という言葉を聞けてすごくうれしいです」と振り返った。

冒頭の3回転ループ、ダブルアクセル(2回転半)、後半のルッツ-トーループの連続3回転に成功。今季高評価を獲得し続けてきたスピンでも、いつもどおりに最後の高速スピンで会場から大きな拍手をもらった。「声援だったり、拍手をたくさんもらえて、すごく良い雰囲気でした」。演技後には笑顔ものぞかせた。

トリプルアクセル(3回転半)と4回転トーループを武器に、今季はジュニアの枠を超えて活躍してきた。昨年末の全日本選手権では3位。自己記録のフリー148・87点、合計217・67点はシニアを含めても今季の国際スケート連盟公認大会の最高得点となっている。

その3回転半と4回転トーループは調子が悪く、不安を抱えてはいる。ただ、「試合前、調子が良くても試合で跳べなかったり、試合前、調子悪くても試合で跳べるときもあった」と今季の経験値を生かして、「最後まであきらめずに」と誓う。フリーは3日(同4日)。「世界ジュニアは初めてなので、プレッシャーよりあこがれていた舞台。楽しみたい」。その先に偉業が待つ。