グランプリ(GP)ファイナル、4大陸選手権と合わせた日本初の「年間グランドスラム」達成がかかる三浦璃来(21)、木原龍一(30)組(木下グループ)が、自己記録の80・72点をマークし、首位発進した。初の80点台超えで昨年のNHK杯で記録した78・25点を上回り、今季世界最高点にもなった。

「You’ll Never Walk Alone」の曲に乗り、冒頭のトリプルツイスト、並んでの3回転トーループ、スロー3回転ルッツを決めた。回転速度もぴったりのスピンで会場を盛り上げ、フィニッシュへ。ひざをついて2人で向き合い達成感を味わうと、固く抱き合った。

得点が表示されると、三浦は跳び上がって喜んだ。「私は(80点台が)出ると思ってなかったので」とうれしさがあふれた。木原は「本当にやってきた練習に自信を持ってたので、結果として、全て練習でやってきたことを出すことができた」と振り返った。

国内での試合は昨年11月のNHK杯以来だった。年末の全日本選手権はカナダからの荷物が届かずに棄権していた。木原は「久しぶりに日本の皆さんの前で演技を披露することができて、滑ってる最中から、技が成功するたびに温かい拍手をいただけて、本当に嬉しかったですし、楽しいなっていう思いが、久しぶりに感じることができました」

21日の前日練習後、木原が9年前を感慨深げに振り返った。「最初の大会っていうのは、ものすごく自信がない状態で、いつも正直試合が怖い気持ちがあった」。14年、同じ会場で行われた世界選手権だった。それからずっと、日本のトップペアとして歩んできた。

「10シーズンたって、璃来ちゃん、ブルーノ(コーチ)と一緒に自信をもって帰ってくること、出場できることになって、緊張感というよりは、うれしい、わくわく感、感謝の気持ちが強いかなと思ってます」。いま隣でほほえむパートナーとこの場にいること。それが気持ちを満たしていた。

三浦は、ペアの先輩である木原に引っ張られながら、抜群の相性で世界のトップペアへと躍進してきた。「やってきた練習に自信持っているので、それを出せるかというワクワク感が大きい」。充実感を持って、大一番を迎えていた。

日本勢として初の世界一もかかるフリーは23日に行われる。

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