世界女王で日本の主将を務める坂本花織(23=シスメックス)が、フリーでの巻き返しを誓った。

SPは72・69点にとどまり、世界選手権2位の李海仁(韓国)に4・21点届かず2位。演技後はあおむけになり「やってしまった…という感じ」と苦笑いで悔やんだ。

疲労を乗り越えたかった。世界選手権後はアイスショーで演技し、迎えた今季最終戦。演技後半、得点源となるフリップ-トーループの連続3回転の1つ目が乱れ、強引に2つ目をつけて転倒した。基礎点から3・65点が引かれ「『(疲労で)しょうがない』と終わらせたくない」と言い切った。中野園子コーチには「ちょっと(動きが)重かったね」と声をかけられた。

昨季は北京五輪で銅メダル、世界選手権優勝。今季は長年タッグを組んできたブノワ・リショー氏ではなく、SPを米国人のロヒーン・ワード氏に依頼した。同国の歌手ジャネット・ジャクソンの曲を用い、新たな動きに当初は全身が筋肉痛になった。シーズン中にはジャクソンからインスタグラムでエールが送られ、最後の披露だったこの日は演技構成点3項目全てで、10点満点の9点台を記録した。「やり遂げたのは今後の力になる。とにかく明日は順位をもう1つ上に上げたい」。悔しさは14日のフリーで晴らす。【松本航】

◆世界国別対抗戦 8度目の開催となる国際スケート連盟(ISU)公認大会。世界6カ国が男女シングル各2人、ペア1組、アイスダンス1組の4種目8人で争う。各種目、優勝は12点、2位は11点…と与えられ、合計点で優勝国を決める。日本の他に米国、カナダ、韓国、イタリア、フランスが参加。SP、フリー(アイスダンスはリズムダンス、フリーダンス)ごとに区切り、総合得点での順位は得点としない。各出場者(組)の総合得点はISU公認記録となる。