静岡ブルーレヴズが、ホームでの今季最終戦を白星で飾れなかった。6位トヨタに27-37。堀川隆延ヘッドコーチ(49)は「みなさんのチームへの思いに結果で表現できなくて、非常に残念」と唇をかんだ。けがから8試合ぶりに出場した共同主将のWTB奥村翔(かける、24)も「勝ちたかった」と悔しさをにじませた。チームは全16試合を終え、5勝2分け9敗。最終順位を一つ落とし、8位で今季を終えた。

負けはしたが、見せ場はつくった。アーリーエントリーのSO家村健太(22)が前半38分、敵陣でのスクラムから左に出た球をリーグ戦初トライ。ポジション柄、大学時代もトライすることが少なかった10番は「久しぶりのトライ。気持ちいいなと思った」。後半11分には叔父のCTBアラパティ・レイウア(34)からパスを受けたおいのWTBマロ・ツイタマ(27)がトライ。その6分後にはスクラムを起点にCTBヴィリアミ・タヒトゥア(31)がトライを奪って27-28と1点差に詰め寄り、ファンを沸かせた。

大差負けがほとんどなかった今季について、奥村は「昨季よりはチームが確実にレベルアップしていた」と振り返った。指揮官は一貫性をもって成長できなかったとし、「課題などをしっかり見直して来季に臨みたい」と顔を上げた。【倉橋徹也】

○…今季最多1万人超の入場者が、チームの背中を押した。ホーム開幕となった第2節(昨年12月25日、ヤマハスタジアム)の9443人を上まわる1万2203人が入場。先着1万にファン専用プレーヤーズ背番号「24」のつけられたオリジナルシャツが配られ、ファンはそれをまとって応援。いつものレプリカジャージー色とは違った色でスタンドが埋め尽くされた。選手入場時にはバックスタンド中央部の観客が色紙を掲げ、チームのエンブレムを表現。グラウンド上では、おなじみの大漁旗で選手らを迎え入れ、試合を盛り上げた。入場時にスタンドを見上げたという奥村は「うれしかった」。家村も「(応援が)気持ちよかった」と振り返った。