北海道ラグビー界を盛り上げるために、異色のタッグが結成された。北海道ラグビー協会は7日、札幌山の手高出身で日本代表フランカーのリーチ・マイケル(34=BL東京)と人気番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ放送)藤村忠寿ディレクター(58)のアンバサダー就任を発表した。札幌市内で会見が行われ、現役選手とTVマンがそれぞれの“ピッチ”でのラグビー普及を誓った。

9月8日開幕のW杯フランス大会で4大会連続出場に向かうリーチは、高校時代を過ごした第2の故郷への感謝の気持ちを忘れない。会見にオンラインで出席し、「北海道、ラグビーに恩返ししたいという気持ちは昔からあった。子どもたちがラグビーをやりたいと言ってくれるようにやっていきたい」と話した。高校2年時にニュージーランドの実家が火事で全焼し、リーチのために内緒でチームメートらが募金を集めて送ってくれた。その恩義をずっと感じている。

現役選手である自身ができることは、プレーで魅せることだ。7月22日に札幌ドームで日本代表サモア戦が行われる。W杯前哨戦で、桜のジャージーを着て初めての北海道凱旋(がいせん)試合となる。「すごく大事な試合になる。感動させる試合をする」と力を込めた。

淡々と、でも熱い言葉を並べるリーチのオンライン画面を見ながら、藤村ディレクターは、うんうんとうなずいていた。中学、高校、大学でラグビーを経験。北海道大時代には主将を務めた。「ボールを持った1人を後ろの全員が何とか前に進めようとする姿が、ラグビーの一番の醍醐味(だいごみ)。システムがわかってくると、多分この競技は胸が熱くなる」と力説。「2人ともヒゲがある」とアンバサダーコンビの共通点を挙げて、会場の笑いを誘った。

ラグビーの魅力を伝えるためにYouTubeでの発信を続けるつもりだ。「秋くらいに普通の人に見方など、わかりやすく説明することをやっていけたら」。前回のW杯日本大会直前には日本代表南アフリカ戦の観戦実況を配信。今大会に向けても、盛り上げようとしている。【保坂果那】