9月8日開幕のラグビーW杯フランス大会を、違った角度から盛り上げようと奮闘する男がいる。
21日午後9時、東京・神保町よしもと漫才劇場で「神保町レッドウォリアーズ2」と題した公演が行われた。
告知ポスターのメインはお笑いコンビ和牛の川西賢志郎(39)。「監督」という肩書がついた著名な先輩に次ぐ大きさで、ラグビー芸人しんや(33)が「キャプテン」という立場で位置していた。
出演者の息遣いが伝わる規模の会場は満員だった。
チケットは完売。来場者の9割以上が女性だった。
黄色い声援と拍手に招かれ、ラグビージャージー姿の出演者が登場。しんやは冒頭で「今年、ラグビーのワールドカップがあるの、知っています?」と尋ね、半分以上の挙手を見て「うれしんや!」とおどけた。
出演者は2つのチームに分かれ、ラグビーを題材にしたゲームで競い合った。
「ジャッカルモノボケ」では、多様なアイテムを使い、次々にギャグを披露。ウケれば「ジャッカル(本来はタックルで倒れた相手から、防御側がボールを奪うプレー)」で“交代”し、次の出演者が同じ道具で芸を披露するが、1人目からなかなかOKが出ない。
数人の後輩芸人の出来を見た和牛の川西からは「神保町でモノボケって、初めて?」とツッコミが入り、会場は大爆笑。一方、しんやが突然「シャバルですか?」と元フランス代表でひげがトレードーマークのセバスチャン・シャバル氏(45)の名前を持ち出した場面では、会場がシーンと静まり返った。
しんやは前人未到の全国大学選手権9連覇を達成した帝京大の出身。自身の在籍4年間も全てで日本一となったが、その自慢を続けた上で「3軍!」とオチをつけるのが定番のネタだ。
帝京大ではCTB中村亮土(32)が1学年、SH流大(30=ともに東京サントリーサンゴリアス)が2学年、フッカー坂手淳史(30=埼玉パナソニックワイルドナイツ)が3学年下の後輩で、いずれも日本代表の主力に位置している。
ラグビーの試合会場とはまた違った雰囲気の公演を終え、汗だくのしんやが思いを口にした。
「『ラグビーは楽しいスポーツだ!』と知ってもらえる、きっかけになったらいいなと思います。ラグビーを好きになって、このライブにも来てくれて…。23日の正午まで配信のチケットも売っているので、見てくれたら、うれしんや!」
ファンが退場し、誰もいなくなった劇場でも、大声でのボケは忘れなかった。【松本航】
◆しんや 本名・松永真也(まつなが・しんや)。1990年(平2)5月21日、大阪市生野区生まれ。東生野中でラグビーを始め、大商大高、帝京大とFW一筋。一般企業を経て、18年春にNSC(1年制)入学。大阪校41期生による卒業イベントで129組(218人)の頂点に立つ。特技はスクラム、ラインアウト、レッグエクステンション。186センチ、105キロ。


