八村は辞退、渡辺は出場へ-。日本バスケットボール協会は27日、NBAで活躍する八村塁(25=レイカーズ)が、8月に沖縄などで開幕する男子W杯を欠場すると発表した。今オフ初めてフリーエージェントとなる八村はこの日までに、NBA選手としての自身のキャリアを最優先したい意向を協会側に伝えた。この発表を受けて渡辺雄太(28=ネッツ)は自身のSNSを更新。八村の判断に理解を示した上で、参加意思を表明した。

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男子代表にとって絶対エースであり、W杯の看板的存在でもあった八村の欠場-。日本協会にとっては、代表合宿が本格的にスタートした翌日の苦渋の発表となった。八村や米代理人事務所ワッサーマンと協議を続けてきた中で、「総合的に勘案した上で本人の意向を受け入れ、今夏の日本代表活動への招集を見送る」と決定した。

八村は協会を通じて「とても難しい判断でしたが、シーズンと長いプレーオフを終え、これから初めてのフリーエージェンシーに備えて今後の自分のNBAキャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました」などとコメントを寄せた。

NBA入りして4季目の今季が新人契約最終年。シーズン途中に名門レイカーズに移籍し、プレーオフでは西カンファレンス決勝まで激闘を繰り広げた。もしW杯開催が1年早ければ、状況が変わっていた可能性はあったかもしれない。協会強化トップの東野技術委員長は約1週間前に「シーズン中はNBAに集中するということだった。話し合いはこれから」と話していた。“日本バスケの至宝”である八村。最終的には、その将来を優先し、選手本人の意思を尊重する形となった。

◆NBAの移籍交渉 フリーエージェント(FA)選手との交渉が解禁となるのは、米東部時間6月30日午後6時。新人契約の最終年を終えたとみられる八村は今オフ、制限付きFAとして交渉先を探す。現在所属するレイカーズ以外のチームからオファーが届いた場合も、期日内にレイカーズが同じ条件を提示すれば残留となる。

○…日本代表のホーバス監督は「能力や存在感のある八村選手と一緒に戦えないことは非常に残念」としつつも、W杯でのパリ五輪出場権獲得に集中する姿勢を強調した。「八村選手がNBAで活躍し続け、そして来年のパリオリンピックでは一緒に戦えることを心より願っています」とコメントを寄せた。前日26日にはNBA組の代表合流に関する情報はないとした上で、「例えば(渡辺雄太)1人だけが来ることになったら、ジュシュ(ホーキンソン)が5番で、雄太が4番、馬場が3番」などと構想を口にしていた。