五輪階級の世界選手権(9月、ベオグラード)をかけたワンマッチが行われ、女子76キロ級は鏡優翔(21=東洋大)が茂呂綾乃(18=山梨学院大)と2-2で並んだが、ラストポイントの差で下し、2年連続の代表の座を射止めた。

昨年12月の全日本選手権と今年6月の明治杯全日本選抜選手権の優勝者が異なった階級が対象となった大一番。第1ピリオドに2点の先制を許したが、第2ピリオドの残り1分を切ってから果敢なタックルを決めて2-2に。同点として、最後の得点者が勝つルールで、接戦を制した。

「指を見ると、頑張ろうと思いました」。両手のツメに施していたのは、黄色のネイル。前日に自ら色を塗り、親指にはニコッと笑顔のイラストを描いた。日本のレスリング選手では珍しいが、「元々ダメだと思ってたんで。でも海外選手たくさんしてる人いて。で、私、すごいオシャレとかかわいいとかが、すごい自分のモチベーションになる人なので!」と笑顔で説明した。

マウスピースにも「カワイイ」という文字を入れている。6月の全日本選手権で優勝した際にも着用していたが、勝負は2週間後のプレーオフ。「浮かれていると思われてしまうので。ようやく、ここで見てもらえますね!」。自ら気持ちを上げて、勝利につなげた。

昨年の世界選手権では3位。今年3位以内に入れば、来年のパリ五輪代表に内定する。5位以内となり出場枠を確保した場合は、年末の全日本選手権で優勝すれば内定する。「金メダルで決めたい」と誓った。