男子60キロ級で24年パリ五輪(オリンピック)代表の座を争っていた元世界ランキング1位の永山竜樹(27=SBC湘南美容クリニック)が、前回21年東京五輪金メダルの高藤直寿(30=パーク24)を決勝で破った。

大会終了後、全日本柔道連盟の強化委員会が開かれるが、勝った方がパリ切符をつかむことが確実となっていた中、永山が大外刈りで一本勝ちした。

永山は2回戦から出場。イタリア選手を腕ひしぎ十字固めで下し、3回戦はキプロス選手に袖釣り込み腰と裏投げで合わせ一本。準々決勝はジョージア選手に指導3の反則勝ち、準決勝はAIN(中立)の選手を内股の技ありで破った。

16年リオデジャネイロ五輪で銅メダル、東京で金の高藤は1回戦から。フランス選手に隅返しの技あり、2回戦で台湾選手に小外掛けで一本勝ち、3回戦で韓国選手に反則勝ちと、さすがの勝ち上がりだった。

想定外の正念場は準々決勝だった。開始20秒でイタリア選手にリードを許す。肩車で技ありを奪われ、追いつけない展開。焦る場内の歓声が大きくなる中、残り9秒、起死回生の技ありを内股で奪い追いついた。あとは地力が違う。延長戦に入って35秒で浮き落としの一本勝ちを収めた。準決勝は日本勢対決。21歳の中村太樹(国士舘大)を内股すかしの技ありで退け、決勝へ駒を進めた。

この階級は昨年の世界選手権で優勝した高藤がリードしていたが、今年5月の世界選手権で連覇を逃す5位。8月のマスターズ大会も3位だった。

そのマスターズ大会で優勝した永山が国際大会2連勝で猛追。今大会の一騎打ちに持ち込んでいた。そして直接対決を制し、夢舞台へ大きく近付いた。【木下淳】