花園で東北勢同士がしのぎを削った。初戦でぶつかった仙台育英(宮城)と黒沢尻工(岩手)は、仙台育英が46-10と圧倒。CTBカプセン・テイオ(3年)が、先制トライを含む3トライを挙げるなど計7本のトライで、2大会ぶりの初戦突破を果たした。秋田工は静岡聖光学院に15-36、青森山田は高鍋(宮崎)14-33で敗れ、初戦で姿を消した。
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試合開始から15分間、両チームともに攻め手を欠き、膠着(こうちゃく)状態が続いていたが、テイオが快走でその均衡を破った。前半15分、敵陣での中央ラックから右に展開。ボールを受けたテイオが相手BKの間を縫ってゴールラインへ一直線。敵陣を縦に切り裂く激走で中央にトライを決めると、同24分には中央スクラムからWTB佐藤巧征(2年)との連係プレーで左タッチライン際を駆け抜け2本目。後半15分には、相手選手との接触で一時コートを出ていたテイオが戻って早々に3本目のトライを決めた。この日はニュージーランドから母が応援に駆けつけており、目の前で実力を存分に発揮した。ニールソン武蓮傳監督(45)は「すごく良かった」と手放しで褒めた。
FW陣は8人中7人が2年生。先発の15人中3年生は3人だけという若いチームだ。FW唯一の3年生のNO8の二上大悟主将(3年)は「練習でも学年の壁をなくしてきた。絆が深まっていることが前面に出た試合」と振り返った。今年のチームは「FWからもBKからも点が取れる」ことが特徴。7本中4本のトライは2年生が決めたもので、うち2本がFWの得点だった。「3年生が少ない分、2年生が活躍する場面も多い」と二上。全員が要注意人物だ。
次戦はシード校の大分東明と対戦する。二上は「退くことなく、自分たちの良いところを前面に出せるようなプレーをしていきたい」。快勝の勢いそのまま、2回戦も勝利し、年越しを決める。
黒沢尻工 同県のライバル黒沢尻北に14-7で勝利し、4大会ぶりにつかんだ花園は悔いが残る結果となった。試合は終始、仙台育英ペース。後半20分を過ぎて39-0と一方的な展開。残り10分で2トライを決めたものの、反撃が遅すぎた。高校日本代表候補・梅木颯斗主将(3年)は「やってきたことをゲームで体現できなかった。焦ってしまって相手の流れになり、いつもやらないようなプレーをやってしまった」と敗因を分析。大舞台で本来の力を発揮できなかった。
「経験者がほとんどいない中で始まり、最初は黒沢尻北にボコボコにされた」。力の差にあきらめかけた時もあったが、それでも立ち向かい続け、3年目に最初で最後の夢の舞台に立った。梅木は「人として成長できた。高校でいい経験ができました」と、支えてくれた人たちに感謝した。
秋田工 静岡聖光学院に敗れ、4大会連続71回出場で過去15度の最多優勝を誇る古豪が初戦で散った。
前半7分、静岡聖光学院FB小野沢謙信(3年)に先制トライを許すも、同18分、ラックから抜け出したU17日本代表のNO8三浦颯太(2年)が反撃のトライ。だが、その後も小野沢の勢いを止めることができず、4トライを決められた。後半28分、FW小林慶伸(3年)が意地のトライで粘りを見せたが、及ばなかった。
4大会ぶりの開会式で選手宣誓を務めた大沢空主将(3年)は初戦敗退に号泣。「(秋田工は)伝統校なので全国優勝を目指してほしい」と後輩へ未来を託した。三浦は大沢主将と抱き合いながら「絶対ここ(花園)に戻ってくる。もっと強くなって先輩たちの目標を絶対に達成します」と涙ながらに雪辱を誓った。
青森山田 前半を7-7で折り返したが、後半開始早々、高鍋に主導権を握られた。開始から15分の間に4トライ決められるなど、波状攻撃を防げなかった。同27分に中村桐十郎主将(3年)が敵陣ゴール前でのペナルティーキックから、パントキックで前に蹴りだし、自身がそのまま持ち出して中央へトライ。最後に一矢報いたが、5大会連続の初戦突破とはならなかった。


