友野一希(25=大阪・上野芝スケートクラブ)が成年男子SPに臨み、68・49点で6位スタートとなった。

年明けからインフルエンザなどで2週間ほど体調を崩した期間があり、ここ1週間ほどでようやく本格的に練習を積み始めた。冒頭の4回転トーループで転倒すると、続くサルコーは2回転。3本目のトリプルアクセル(3回転半)こそ降りたが、ジャンプのミスが得点に響いた。

「6分間は動きも悪くなかったんですけど、本番は練習が出る。緊張に打ち勝てるだけの練習ができていなかったです」。反省が先に立ったが「本番の難しさを実感できた、良い試合になりました」と成長材料の1つとして受け止めた。

昨年末の全日本選手権では合計271・52点で6位。22年大会であれば2位相当の得点だったが、今季はハイレベルな争いとなり、友野は4大陸選手権と世界選手権の代表に届かなかった。

ただ、悲観はしていない。「過去1番と言っていいくらいの良い試合だった。スケート人生の中でも本当に幸せ」という回顧とともに「五輪まで残り2年。自分を強くさせてくれる時間があることは、とても大切。ここ2年くらいは走り続けてきたので、1度立ち止まって、ゆっくり自分を温める時間がほしかった。ポジティブに捉えています」と前を向く。

今年5月には26歳を迎える。若手の台頭もあるが「僕自身は今が一番体が動いている」と笑顔。2024年も進化を求めるシーズンにしていく。