レギュラーラウンド(RR)首位のJTが、同2位のNECに1-3(25-27、30-32、25-16、17-25)で敗れ、24季ぶりのシーズン無敗での完全優勝を逃した。

一進一退の激しい攻防で競り負けた。第1セット(S)を失って迎えた第2S。ジュースを繰り返す大接戦で粘りをみせたが、29-28の勝負どころで相手の日本代表アウトサイドヒッター古賀紗理那らにポイントを許し、30-32で連取された。

それでも、0-2に追い込まれた第3Sは、日本代表アウトサイドヒッター和田由紀子(22)の鋭い攻撃などで、13-13から一挙6連続ポイント。最後はミドルブロッカーのサンティアゴ(フィリピン)のスパイクで25-16で取り返した。しかし、続く第4Sは逆に5連続失点するなど流れを失って落とし、偉業達成はならなかった。

田中瑞稀主将は「タフな試合になることは想定していたけど、焦った場面だったり、取らないといけない点で取れずに苦しい展開になった」。

吉原知子監督も「取り切る力」を課題に挙げ「絶対に勝たなきゃいけない試合は、トップにいけばいくほどある。そういうときに自分の力を発揮できるような選手にならないと」と勝負強さを求めた。

スローガン「継勝」を掲げ、勝負にこだわってきた。シーズンはじめは日本代表メンバーが代表活動のため合流が遅れた。それでも各選手が「チームのために」という気持ちを忘れることなく、技術をみがいてきた。

日本代表アウトサイドヒッターの林琴奈(24)は「外に出ても、中にいても、チームのために何かをしよう、と自分の役割を分かっている選手が多い」と結束力の高さを強みに挙げる。その“一丸力”でRRを無敗で走り抜け、この日の決勝の舞台に立った。最後は皇后杯とリーグ制覇の2年連続2冠を目指したNECに屈したが、昨季の5位を上回る準優勝という結果に、確かな進化が表れた。

JT林琴奈(第3Sから出場し6得点)正直なところ納得いくプレーはできなかった。ディフェンスと言えば自分って言われるようにもっともっと磨きたい。

JT和田由紀子(アタック10得点などで貢献)自分たちの武器とするブロック&ディフェンスが今回の試合では出し切れなかった。プレッシャーのかかった場面で決めきれるように成長していかないといけない。