ラグビー日本代表75キャップを誇るSH田中史朗(39=NECグリーンロケッツ東葛)が24日、今季限りでの現役引退を発表した。

都内のホテルで行われた引退会見では、家族への感謝や、今後の人生についても言及した。

まず、冒頭のあいさつで引退を報告した。

田中 こんにちは、田中史朗です。(フーッと息を吐き)私、田中史朗は今シーズン終了をもちまして、現役を引退することを決めましたので、皆さまにご報告させていただきます。17年間の現役生活、この小さな体でここまでプレーできたこと、日本代表としてワールドカップ(W杯)に出て、新しい日本の歴史を築けたことは私の誇りです。今後ですがNECアカデミーのコーチとして、普及活動を続けていく予定です。幸運なことにエディー・ジョーンズ、ジェイミー・ジョセフ、トニー・ブラウンという素晴らしいコーチが周りにいる。将来的には日本代表のヘッドコーチ(HC)をやってみたいと思っています。まだ4試合残っているので引き続き応援していただけたらと思います。

主な一問一答は以下の通り。

-どのような思いで引退を決断したか

田中 本当に体がきついのがまず1つ。下からもいいプレーヤーが出てきています。悲しくもあり、うれしくもあります。日本ラグビーがレベルアップしていて、今のパフォーマンスで現役を続けているのが、やっていていいのかなという部分もありました。それをずっと考えながら、僕がやることの意味もあって続けてこられました。やはり限界を感じて、こういう決断にいたりました。

-いつ決断したか

田中 W杯が終わった1、2年後から思っていました。今シーズンも試合に出られていましたけど、チームにとって、そんなにいいパフォーマンスができていたわけではありません。今シーズンの半ばで決断しました。

-日本代表、リーグ戦で思い出に残っている試合は

田中 いっぱいあります。自分が出ていなかったけれど(スーパーラグビーの)ハイランダーズの優勝の瞬間は今でもずっと覚えています。日本代表では(15年W杯イングランド大会の)南アフリカの試合。日本の皆さんに感動を届けられたと思うので、あの試合が一番印象にあります。

-「日本ラグビーをお願いします」はどんな気持ちで言ってきたか

田中 自分自身、日本ラグビーのために全力でやってきたし、僕が現役を引退しても、誰でも日本のためにラグビーができます。たくさんの方が反応して、共感して応援してくださった。ずっと言い続けてきてよかったと思います。

-きっかけは

田中 2011年W杯の敗戦。3敗1分けで帰ってきた時に、メディアの方もファンの方もほとんど空港にいませんでした。日本のラグビーが終わってしまう危機感がありました。ラグビーの人気を落としてしまった責任感と罪滅ぼしですかね。

-家族の存在について

田中 本当に自分のモチベーションを上げてくれる存在でしたし、子どもたちの笑顔を見たくて頑張ってきました。妻がアスリートだったので、優しかったけれど、厳しい部分があって、一緒に頑張るからもうちょっと頑張ろうと言い続けてきてくれました。妻がいたからこそ、ここまでやれました。妻のおかげで本当に最高に幸せなラグビー人生が送れました。

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