今季限りで現役引退する埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉)のフッカー堀江翔太(38)が、本拠地最終戦で開幕15連勝に導いた。

W杯4大会連続出場の功労者は7戦ぶり先発で、最下位の花園近鉄ライナーズ(花園)に33-24の勝利に貢献。すでにプレーオフ(PO)へ首位通過を決めており、PO2戦を含めた残り3戦で2季ぶりの優勝をつかんで花道にする。

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ドレッドヘアに小さな帽子をちょこんと乗せ、堀江が1万人超えの大声援を受けた。最後の熊谷でプレーヤー・オブ・ザ・マッチ。パスやキックを自在に操り、前半31分には転がるボールへ身を投げ出して失点の危機を救った。前半を7-5で折り返し、21-5とした後半21分でお役御免。チーム換算で歴代トップの公式戦200試合出場とし「いつも通りに試合をし、チームのために勝つ。変わらないです」とかみしめた。

16年前の08年10月11日、デビューも熊谷だった。前身の三洋電機の一員で臨んだ九州電力戦。入団当初は試合後、観客席から色紙をつり下げたファンに「サインをもらってきて」とせがまれた。それを手にトニー・ブラウン、ホラニ龍コリニアシらスター選手の元へ向かう役回り。今や客席で自身のタオルが揺れ「当時はフッカーの動きが全然できていなかった。映像を見たくない恥ずかしい動き。そう思うと、ちょっと著名人になった」と笑わせた。

泣いても笑っても、残すは3試合。昨季は決勝で東京ベイに敗れ、2連覇を逃した。「ファンの方も、僕らも悔しい思いをしている。僕たちが望む終わり方にしたい」。花道は王座奪還と決めている。【松本航】

○…今季限りの現役引退後に高校教師の夢を追うSH内田も、堀江とともにファンのねぎらいを受けた。後半21分までプレーし、攻撃の起点を担った。日本代表22キャップの実力者は「チームを前に進めるのが僕のスタイル。チームファーストでやっていきたい」。試合前は場内の音楽をリクエスト。母校の伏見工高(現京都工学院)がモデルとなった「スクール☆ウォーズ」の主題歌「ヒーロー」を流し、観客を盛り上げた。