<全国高校バスケット選抜優勝大会:明成84-51帝京長岡>◇第5日◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

 連覇を目指す明成(宮城)は帝京長岡(新潟)に勝ち、準決勝進出を決めた。第3クオーター(Q)途中でエースC八村塁(2年)がベンチに下がる場面もあったが、SG納見悠仁(2年)がチームをまとめ、20得点の活躍で勝利に貢献した。

 明成が止まらない。序盤こそ食らいついてくる相手と接戦を演じたが、終わってみれば33点差の圧勝だ。38分間コートに立った納見は「いい立ち上がりではなかったが、やるべきところで全員が良い動きができた」と満足そう。八村も「チームみんなで勝てたと思う」と笑顔を見せた。

 珍しく八村がヒートアップした。相手の205センチ留学生Cタヒロウ(1年)が、長い手足を使い体をぶつけてマッチアップ。「負けられない」と熱くなった八村がファウルトラブルに陥り、第3Q残り3分を残してベンチに下がらざるを得ない状況になった。

 だが八村が抜けても、納見がいた。冷静沈着な司令塔は、前半は試合を読んでパスを回し、後半は周りを使いながら20得点。内外角を問わずどこからでも、ゴールに打ち込んだ。八村と同じくU-17代表の納見は「八村ばかりじゃなく、力を合わせて日本一になりたい」と話した。

 「レベルの高いバスケットを」。佐藤久夫監督(44)の狙いで、チームは普段から大学生に胸を借りる。仙台大を中心に関東へも遠征するなど、年上相手の練習試合を積みレベルアップに取り組んできた。八村も「去年は自分が下がると崩れたが、それがなくなった。チーム力は断然高くなった」と実感する。連覇まであと2勝。納見は「全員そろって頂点に立ちたい」と今日28日の準決勝桜丘(愛知)戦も勝ち進む決意を口にした。【成田光季】