ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表が史上初の決勝トーナメント(T)進出を決めた13日のスコットランド戦で、日本テレビ系生中継(午後7時30分)の平均視聴率が、関東地区39・2%(関西地区37・2%)だったことが15日、ビデオリサーチの調べで分かった。今年のスポーツ中継番組トップで、瞬間最高視聴率53・7%(同52・2%)という盛り上がりぶり。その影響を受けたNHK「いだてん~東京オリムピック噺」は大河ドラマワーストを更新する苦しい数字となった。

まさに「今年1番の盛り上がり」だった。午後9時41分。7点差を追うスコットランドの猛攻。必死に耐える日本。スタンドからは試合終了へカウントダウンの大合唱。ラックから出たボールを山中亮平が蹴り出し日本初の8強が決まった瞬間の視聴率は、関東地区で53・7%をたたき出した。平均39・2%は、同局系で中継された5日サモア戦の32・8%、1月3日の箱根駅伝復路の32・1%を上回った。午後7時からの試合直前番組も平均15・3%を記録した。

同局スポーツ局の渡辺卓郎プロデューサーは「初の決勝T進出という歴史的快挙の放送を担当させていただいたこと、大変光栄に思います。日本の不屈の闘志と、スコットランドの意地、両チームの魂のプレーが多くの視聴者の心に届いた結果と感じています」とコメントした。

日テレにとっても、悲願の中継と言えそうだ。これまで南アフリカを破った15年W杯、アイルランドを破った今大会9月28日の試合はともにNHKが中継。「ジャイアントキリング」や劇的な試合との縁に恵まれなかった日テレに、4連勝の日本代表が追い風を吹かせた。渡辺氏は「台風19号の影響がある中、早朝からグラウンド等の復旧作業をされ、歴史に残る名勝負の舞台を整えた関係各所のご尽力に敬意を表したいと思います」と感謝した。

W杯の盛り上がりと比例するように、日本代表の視聴率はうなぎのぼり。20日の準々決勝南アフリカ戦を再び中継するNHKは、大河「いだてん」放送を休止してBSから総合に変更した。ただ日本代表が準決勝に進めば、決勝まで放送権は日テレ。渡辺氏は「今後はラグビー日本代表の1歩1歩がそのまま歴史に刻まれていきます。引き続き日本の躍進と、世界最高峰の戦いを楽しみにしつつ、決勝トーナメントの放送責任を果たしていきたい」。日本戦中継の機会が再び訪れることへの期待感もにじませた。