平幕露鵬(28=大嶽)、十両白露山(26=北の湖)兄弟はなぜ、大麻に手を出したのか。2人に近い関係者は「番付が上がって私生活が乱れ始めた。夜な夜な繁華街を出歩き、大麻を覚えたのではないか」と指摘する。

 現在の相撲界は、体力に恵まれた外国人力士が上位を席巻している。露鵬、白露山もレスリングの経験を生かし、スピード出世を果たした。2人とも師匠の前ではまじめな弟子で通していた。一方で巡業での態度は目に余った。この日に釈放された元若ノ鵬を加えた3人は、巡業中も常に一緒に行動。露鵬、白露山が「大麻を吸った」と告白したというロス巡業では、3人がそろって集合時間に遅刻した。国内巡業でも朝げいこをサボることもあり、担当の千田川親方(元関脇安芸乃島)から「おまえら、このままだと協会に言ってクビにしてもらうぞ」と怒鳴られていた。モンゴル巡業は若ノ鵬が逮捕され、白露山は十両で不参加。露鵬は腰痛を理由に休場したが、関係者は「無理をすれば出られた。2人以外、友達がいなくて寂しいから休んだんでしょう」と指摘した。

 それぞれの師匠は「まじめにけいこをする。素直な弟子」と評価していた。一方で他の親方衆の目は3人に厳しかった。ある親方は「大関、横綱を目指す意欲は感じられず、相撲内容も引き、はたきが多く、ある程度、勝てばいいって感じだった」と指摘する。事実、若ノ鵬事件発生後、2週間を経て行われた抜き打ち検査で、露鵬、白露山は大麻陽性反応を示した。常習者ゆえの行動にも思えるが、ある協会幹部は「結局、この世界をなめていたのでしょう」と吐き捨てるように言った。

 昨年の朝青龍問題以降、外国出身力士再教育の必要性は訴えられている。だが、行動を常に注視される朝青龍以上に、師匠にはいい弟子を演じながら、裏で法を犯すような行為をしてきた3人は、あまりにたちが悪い。