元関脇安芸乃島の高田川部屋に、たたき上げホープの関取第1号が誕生した。日本相撲協会は26日の九州場所番付編成会議で、竜電(21=高田川)ら5人の十両昇進を決めた。唯一の新十両竜電は高田川親方が09年8月に部屋継承から初の関取。再十両は明瀬山(27=木瀬)誉富士(27=伊勢ケ浜)政風(29=尾車)旭秀鵬(24=友綱)。元小結黒海ら18人の引退も発表された。

 「5時から男になれ!」。竜電に高田川親方から早くもゲキが飛んだ。外国人を倒すたたき上げの育成が親方の持論で、5時からとは幕内後半戦を差す。「一気に三役へ突き抜け、外国人の横綱、大関に食い込んでいってほしい」と話す。竜電も「頂点目指して階段を上がっていきたい。優勝し、2、3場所で幕内に」と次の目標を掲げる。

 中2の時に「男の中の男になれ」と口説かれた。他の柔道選手の勧誘のはずが、校長が「他に大きい子がいる」と紹介。親方も会った瞬間に「衝撃的」と一目ぼれした。2年での幕下から足踏みも、昨年から稀勢の里の付け人でも修業。しこ名は最強力士と言われる雷電にあやかる逸材が「新たなスタート」を切った。