<東京6大学野球:立大2-1明大>◇第2週初日◇19日◇神宮

 立大はドラフト候補右腕、戸村健次投手(4年=立教新座)が6安打1失点で完投し、明大・野村祐輔投手(2年=広陵)に投げ勝った。

 ヤマ場は1-1で迎えた8回だった。2死満塁の場面で戸村は小林卓磨(4年=豊田西)を2球で追い込むと、最後は外いっぱいの直球で見逃しの3球三振に仕留めた。うなりを上げた剛球は150キロを記録し、戸村はマウンドで雄たけびを上げた。この気迫が、その裏の伊藤公俊(3年=清水東)の決勝適時打を呼び込んだ。

 戸村は8回について「夢中でよく覚えていない。150キロも出てたんですか」と驚いた。これまで精神面が課題とされてきた右腕が、ピンチで最高の球を投げ込んだ。「8月から人生で一番走った。朝から晩まで、吐くくらい走った。あの練習に比べれば」と夏場の猛練習で心身ともに真のエースに成長した。「プロは夢だけど、まずはリーグ戦。自分たちは何も残せていないですから」と、まずは創部100周年に花を添える優勝だけを見据える。