今秋ドラフトの目玉候補、中大・沢村拓一(ひろかず)投手(3年=佐野日大)が10日、八王子市で10年のチーム初練習を行った。最速156キロ右腕を視察に、中日、ロッテを除くプロ10球団15人のスカウトが集結。新年初練習に訪れたスカウトの球団数は、斎藤佑樹、大石達也らドラフト1位候補を複数人抱える早大の9球団を超えた。沢村は「見ていただくのは大変光栄。本気で野球に取り組みたい」と意気込んだ。

 ドラフトイヤーを迎え、球速へのこだわりを捨てる。昨秋、大学生の神宮最速の156キロを出したが、その試合でも敗れるなど、東都リーグ通算10勝9敗。新年は「モデルチェンジする。緩急をつけ、スピードより勝つことを重視していく」と決意した。大学では封印していた110~120キロのカーブに再度取り組み、同じ球速でも球をより速く見せる工夫をする。

 初練習はグラウンド30周のマラソンで締める激しい内容も、4位の好成績でゴール。日本ハム今成スカウトは「走りも力強い。斎藤君と甲乙つけがたい2枚看板。2人は突出している」と評価した。なお中大と早大は4月2日、オープン戦で対戦する。【斎藤直樹】