<全日本大学野球選手権:東海大7-0同大(7回コールド)>◇準々決勝◇10日◇神宮

 巨人原監督のおい、東海大(首都)菅野智之投手(3年=東海大相模)が、7回参考ノーヒットノーランを達成した。自己最速タイの154キロをマークし、打者24人に3四死球1失策のみで10奪三振。史上初となる3試合連続コールド勝ちで、2年ぶりに4強進出した。

 参考記録ながらノーヒッターとなった東海大・菅野は「4回くらいから記録を意識しました。9回まで投げる余力もあったけど、7回で終わった方がチームにはいいですから」と謙虚に笑った。

 許した出塁は3四死球と味方失策の4度のみだ。連戦に備え、初戦に続いて省エネ投法を意識。西武涌井や日本ハム・ダルビッシュをお手本に、パワーよりもキレを意識した投球で130キロ台の球でも空振りを奪った。88年の同大会で法大投手として無安打無得点を達成した阪神葛西スカウトは「注目して見ていきます。自信にして頑張って欲しい」とエールを送った。

 ネット裏では、榎本保大学日本代表監督(55=近大)も観戦した。「この投球なら世界でも十分通用する。もう先発でも抑えでもどこでもいけますね」と絶賛。09年はクローザーだった同代表でも、一躍先発候補に躍り出た。

 巨人原監督のおいとして注目されるが、切れ長の目は「よく言われる」という楽天田中似だ。午前中の試合に備え、前週から朝5時起床の生活。「昨日は30分くらい入りました」と半身浴で疲労を抜くなど、ケアも気を使っている。

 史上初の3戦連続コールド勝ちに貢献し、9年ぶりVへ弾みをつけた。準決勝は優勝候補の慶大(東京6大学)と対戦。「相手がどこでも自分の投球をするだけです」と胸を張った。【鎌田良美】