<首都大学野球:東海大3-2武蔵大>◇第3週初日◇18日◇相模原球場

 8季連続71度目の優勝を狙う東海大が、延長11回の末、武蔵大を下した。今秋ドラフトの1位候補、主将の伊志嶺翔大外野手(4年=沖縄尚学)が、左ひざのケガから1番中堅で戦列復帰。延長11回には先頭打者で左前安打を放ち、決勝のホームを踏んだ。守っても自慢の俊足を飛ばして好捕を見せるなど、チームを勝利へ導いた。

 東海大の切り込み隊長が帰ってきた。3回無死、左中間への大飛球に伊志嶺は迷うことなくスタートを切った。やや左翼よりの打球だったが、50メートル走5秒7の快足を飛ばし、グラブに収めた。捕球後、勢い余ってフェンスに激突したが「アドレナリンが出てましたから」と余裕の笑顔を浮かべた。

 1カ月ぶりの実戦でも、存在感は突出していた。8月19日の早大とのオープン戦で左ひざを痛め、15日に全体練習に合流したばかり。第2、3打席は見逃しの三振を喫し、首をかしげた。それでも9回に初安打を放ち、11回には左前打で出塁し、決勝のホームを踏んだ。「久しぶりで全然タイミングが合わなかったけど、最後は自分のスイングができた」。

 今夏の世界大学選手権では日本代表の主将を務め、チームトップの4割5分8厘の成績を残すなど、実力は折り紙付き。今秋ドラフトの1位候補に挙げられる。ネット裏では日米6球団が視察した。中大・沢村拓一(4年=佐野日大)、早大・大石達也(4年=福岡大大濠)ら投手に好素材が多いだけに、即戦力野手として身体能力抜群の伊志嶺は希少価値が高い。「(ひざは)もう大丈夫。調整していきます」と、本領発揮に向けて気持ちを高めていた。【今井恵太】