就職内定率の低さから「超氷河期」と言われるこのご時世、名門野球部が異例の“就活遠征”に出た。27日、東京6大学リーグの明大が西日本遠征に出発。九州、近畿、東海地方の強豪社会人チームとオープン戦を行い、有力な“就職候補企業”として選手の実力をアピールしていく。

 期間は3月10日までで、10試合中9試合で社会人と対戦する。昨年の都市対抗野球で準優勝したJR九州や同8強のヤマハなど、そうそうたる顔触れだ。善波達也監督(48)は「こんなに社会人と組むのは初めて。目的は強いところと試合するのと、就活です」と真剣だ。

 昨年10月1日時点で、大学生の就職内定率は過去最悪の57・6%。同部の4年生はそれより順調だったものの、最終的にほぼ全員の進路が出そろったのは年末近くと苦戦を強いられた。

 明大は今年もドラフトビッグ3の1人、野村祐輔投手(3年=広陵)を擁するが、プロに進める選手は一握り。野球継続志望者の多くは、就職して社会人チームに所属することになる。「このご時世だから、こんな選手いますよっていうのを早めに見てもらいたい」(同監督)。戦力強化と同時に卒業後の進路も猛プッシュする、一石二鳥?

 で実り多き遠征となりそうだ。【鎌田良美】