阪神が広島を下した一戦は、今季セ・リーグ最短の2時間28分ゲームになった。虎は2カード連続で“頭”を取った。

吉田 はたから1-0のスコアをみれば、緊迫した、阪神がやっとのことで逃げ切った展開だったように見えるかもしれませんが、わたしにはそうは映らなかった。阪神にとっては今シーズン10戦目にして、最も楽勝のゲームでしたな。

阪神先発村上は、序盤から広島の各打者にファウルで粘られながらも、結局は7回2安打に抑えて、凡打の山を築いた。

吉田 村上は広島の各打者にファウルで粘られ続けたように見えたかもしれません。うれしい1勝だったと思います。でも球速は出ていたが、制球力を含めて決して絶好調とは思えなかった。広島が粘ったわけでなく、村上は各打者がボール球を打ちにきてくれて、助けられたという見方ができるでしょうね。逆に広島先発床田のほうが調子は良かった。

阪神は5回木浪の右前打と犠打で1死二塁、近本の右適時打で1点をもぎ取った。

吉田 床田が好投したのは、阪神が中盤までに2つのゲッツーを食らったことが示しています。8回には塹江にも森下が二ゴロ併殺を食らった。現状チーム本塁打はリーグ最多ですが、もう少しヒット、ヒットでつないでの得点がほしいです。もっと連打しながら、チーム打率を上げたいですね。

試合前は開幕して初めて一塁側ベンチに岡田監督を激励に訪れた。新旧日本一監督のご対面だったが、お互い野球の話題に触れることはなかった。

吉田 分かってますんでね。7回に木浪がヒットで出塁し、ちゅうちょなく村上に代打原口を送ったのは、後ろに安定感のあるゲラ、岩崎の2人がいるからです。この1勝を明日(10日)、あさってにつなげたい。他球団も強くない。月並みですけど、ここからですわ。【取材・構成 寺尾博和】