12月5日にメットライフドーム内で行われた西武の契約更改交渉。会見で、投手陣に今季の収穫、来季への課題を問うと、こんな言葉が返ってきた。

 岡本 今年は1試合1試合、最後のつもりで投げてきました。慎二さんから『1軍に慣れない気持ちで投げろ』と言われて。1軍にいても絶対甘えず、危機感を持ってマウンドに立て、ということだったと思う。それが結果につながったと思います。

 藤原 左打者を抑えるには落ちる球が必要と、森コーチにフォークを教えてもらって。(今季の)シーズン中も投げていましたが、他の球に比べて信用度が低い。いい感じではあるので、もっともっと精度を上げないといけない。

 松本 課題はフォークです。去年森コーチ、小野寺コーチから教わって、自分でアレンジしながらやってきたつもりでしたが、取り組み方が甘かった。しっかりやっていきたい。

 今年6月に急逝した森慎二投手コーチ(享年42)にまつわる言葉の数々。同コーチの死は、今季の西武にとって、最も大きな出来事だった。投手だけではない。野手も含めたチーム、球団関係者全員の胸に、それぞれの思いがある。

 大石 教わったことを今も練習でやっていますが、もうそれ以上は教われない。でも言葉は頭の中に入っていますし、やることは体が覚えている。フォームで言えば下半身の使い方や体重移動の仕方。フォークの感覚や、調子が悪いときの改善方法。自分の中で、しっかり考えてやるしかない。慎二さんに恥ずかしくないようにやっていきます。

 感謝を直接伝えることは、もうかなわない。プレー、そして結果で恩返しするしかない-。その目には、確かな決意がにじんでいた。【西武担当=佐竹実】