仙台育英(宮城)、八戸学院光星(青森)、秋田商の3校が28日、仙台育英グラウンドで練習試合を行った。仙台育英は、現在右足小指骨折中の平沢大河内野手(3年)に代わり遊撃で出場した1年生西巻賢二が、満塁本塁打を打つなど大活躍した。

 仙台育英期待のルーキー西巻がバットで魅せた。秋田商戦で2番遊撃として3年生の中に1人まじり先発出場。2回表1死二塁で左越え二塁適時打を打ち、3回表2死二、三塁でも2点タイムリー。さらに7回には左翼へ高校1号の満塁弾を放ち、計7打点を挙げた。「左翼ポールの上に当たったようなので、飛距離はあったのかな」とホームランをうれしそうに振り返った。

 西巻は昨夏秀光中のエースとして日本一を経験。166センチと小柄だが、長打力があり、内野のどこでも守る守備センスを持つ選手だ。今秋ドラフト候補の遊撃手平沢が5日の東北大会盛岡大付戦で右足指を骨折。以来、練習試合で代わりに遊撃を守っている。最初は「(平沢)大河さんの代わりは務まらない」とちぢこまっていたが、佐々木順一朗監督(55)から「1年生なんだから思い切ってプレーしろ」と叱咤(しった)され開眼。今はがむしゃらに守り、打ち、結果につなげている。

 来週復帰する平沢の定位置を奪うまではいかないが、守備のユーティリティープレーヤーとして、1年生で唯一メンバー入りする見込みだ。西巻は「重み、責任がある。出るからには学年関係なく自分のできることをやっていく」と初めての夏へ意気込みを語った。【高場泉穂】

 ◆西巻賢二(にしまき・けんじ)1999年(平11)4月22日、福島県会津若松市生まれ。小金井小4年から小名浜少年野球教室(軟式)に所属。秀光中では、3年時にエース兼内野手として全国中学軟式大会優勝。166センチ、62キロ。右投げ右打ち。家族は両親、兄。血液型A。