第88回選抜高校野球大会(3月20日から12日間、甲子園)の選考委員会が29日、大阪市内で行われ出場32校が決まった。注目選手をピックアップ。

 まずは投手から。現時点で昨年の県岐阜商・高橋純平(現ソフトバンク)のようなドラフト1位候補は不在。それでも最速150キロをマークした投手が2人いる。

 大阪桐蔭の左腕・高山優希投手(新3年)と創志学園(岡山)の右腕・高田萌生投手(新3年)だ。

 高山は昨秋の明治神宮大会に出場。準決勝の高松商戦の9回に救援登板するや帽子を飛ばして力投。先頭打者の3球目に自己最速を2キロ更新する147キロをマークすると、140キロ台後半を連発。150キロを計測した。味方打線が1点差に追い上げた直後の9回表に登板。先頭打者の3球目に自己最速を2キロ更新する147キロをマーク。大熊達也外野手を見逃し3球三振に封じた球は、150キロを計測した。一冬超えてどこまで伸びているか。今大会で快投を演じれば一気にドラフト上位候補に浮上するはずだ。

 高田は178センチ、73キロとそれほど大柄ではない。それでもソフトバンク松坂大輔によく似たフォームから繰り出す直球は最速150キロをマークする。縦横のスライダーもキレ味が鋭く、プロ注目の1人だ。

 今年は左腕に逸材が多いのも特徴だ。高山のほかに常総学院(茨城)鈴木昭汰投手(175センチ、73キロ、最速143キロ)、木更津総合(千葉)早川隆久投手(新3年=178センチ、70キロ、最速142キロ)、花咲徳栄(埼玉)高橋昂也投手(181センチ、83キロ、最速145キロ)、龍谷大平安(京都)市岡奏馬投手(179センチ、73キロ、最速142キロ)らですべて新3年生。この中でも花咲徳栄・高橋昂は昨年夏の甲子園も経験し8強入りに貢献。新チームになった昨秋県大会では1試合19奪三振をマークするなど進化しており、再び上がる甲子園のマウンドでどんな投球を見せてくれるか楽しみだ。

 右腕では敦賀気比(福井)山崎颯一郎(新3年)、青森山田・堀岡隼人(新3年)、東海大甲府(山梨)菊地大輝(新3年)らにも注目したい。

 次は打者。

 最速146キロ右腕としても注目の1人だが、昨秋出場した明治神宮大会でファンの度肝を抜いたのが東邦(愛知)藤嶋健人(新3年)のバットだった。初戦の秀岳館戦で2打席連続のホームラン。打った瞬間に本塁打と分かる豪快な当たりでスカウトの評価を上げた。投打二刀流でセンバツを沸かせそうだ。

 ほかには敦賀気比(福井)林中勇輝内野手、青森山田・三森大貴内野手、花咲徳栄(埼玉)岡崎大輔内野手、大阪桐蔭・永広知紀内野手、高松商(香川)安西翼外野手、秀岳館(熊本)九鬼隆平捕手らにも注目(いずれも新3年生)。

 また「清宮世代」にあたる新2年生にも強打者が目立つ。

 常総学院(茨城)宮里豊汰内野手は174センチ、80キロの右打者。昨秋関東大会では横浜・藤平投手から2ランを放つなど2本塁打の活躍を見せた。木更津総合(千葉)峯村貴希は184センチの大型遊撃手。龍谷大平安(京都)岡田悠希は182センチの大型外野手で1年春からレギュラーとして活躍している。ほかにも智弁学園(奈良)太田英毅内野手、秀岳館(熊本)木本凌雅内野手らにも注目したい。