第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する盛岡大付(岩手)は、最速140キロを超える強力3投手を擁する。昨夏の甲子園を経験した左腕・三浦瑞樹、昨秋の東北大会で背番号1を任されたドラフト候補・平松竜也、最速145キロを誇る臼井春貴(いずれも2年)はともに横浜瀬谷ボーイズ出身。同校初の2勝を挙げた昨夏の甲子園では強打で沸かせ、センバツでは剛腕トリオが立ちはだかる。

 「強打」の看板だけじゃない! 盛岡大付が誇る剛腕トリオが新境地を見せる。昨夏の甲子園で全3試合に登板した三浦は自信を見せた。「昨年の甲子園での投手力は下から数えた方が早いって、周りから言われたのが悔しかった。全国で通用するのを見せたい」。平松も「センバツでは“剛腕の盛付”の看板をぶち立てる」と豪語する。

 秋の県大会で背番号1を任された三浦は強気に腕を振る投球が持ち味。「打者に逃げないで向かっていける」とピンチでも動じない勝負度胸が光る。その三浦からエースの座を昨秋の東北大会で奪った平松は、右上手から最速144キロの直球を投げ込むドラフト候補だ。冬場の筋力トレーニングで6キロ増の86キロまで増やしており「センバツで最速を更新したい」と意気込む。

 昨秋は背番号9の臼井は、主にリリーフを任され4試合に投げ11回無失点。横浜瀬谷ボーイズでは2人を差し置いてエースを務めていた。「2人とは今の時点で差がある。今年の冬は自分が一番練習してきた自信がある」と巻き返しに燃えている。現在行っている静岡・沼津合宿では23日、3人が並んで投球練習。お互いを意識しながら熱のこもった球を投げ、アピールを続けた。

 同じ神奈川出身で普段は「仲が良い」と口をそろえるも「野球では別。バチバチです」と火花を散らす。関口清治監督(39)は「3人には期待している。いい場面で投げさせたい」とハッパをかけた。冬の間に3人で切磋琢磨(せっさたくま)してきた成果を、思う存分に発揮する。【高橋洋平】