熊本の復興に向け、勇気を届けるアーチをかけた。早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)が、八代戦(熊本)で高校通算93号となる先制の3ランを放った。昨年も訪れる予定だったが、震災の影響で中止。2年越しで訪れた熊本の地で、右中間への推定135メートルの場外弾を放ち、地元の球児、ファンを感激させた。

 ◆観客 午前5時には駐車場のゲート開き待ちの車が約20台連なった。7日に同球場で行われたウエスタン・リーグのソフトバンク-広島の3090人を超える3500人が集結。熊本県高野連の工木(くぎ)雄太郎理事長は「招待試合で満員になるのは(73年の作新学院)江川さん以来じゃないでしょうか」。

 ◆売店 夏の熊本大会では2店舗ほどの出店だが、球場正面前に5店舗が並んだ。ハンバーガー、アイスクリーム、たこ焼き、カレーライス、ホットドッグなどメニューも豊富。日奈久ちくわなどを販売した「片山蒲鉾店」の片山桃太郎さん(22)は「人はいつもの3~4倍です。清宮君効果ですかね」。

 ◆警備態勢 通常は2~3人の警備員を配置するが、約8倍の16人に増員した。試合中には、警察が球場周辺の違法駐車を取り締まり。第1試合開始1時間10分前の7時50分に開門され、夏の熊本大会では閉鎖される外野も開放された。工木理事長は「(藤崎台で行われる)14日はもっと多くなることが予想される」。