出直しの1勝だ。小樽地区は、部内不祥事で昨年の秋季大会出場を辞退した北照が公式戦に復帰。15安打9得点と強打が爆発し、双葉に9-4で逆転勝ちした。昨年8月から年末まで続いた活動停止を乗り越え、甲子園春夏通算8度出場の強豪がリスタートを切った。

 北照が2本のアーチで再出発した。2-2の6回無死走者なし。6番大場要成右翼手(3年)が左翼にソロアーチを運び勝ち越した。6-3の8回2死三塁では5番中山竜之介中堅手(2年)が左中間にダメ押しの2ラン。4長打含む15安打9得点で昨秋の地区代表校を退けた。1月に部長から就任した上林弘樹監督(37)は「みんな硬かったが大場の1本でホっとした。自分も初めてで緊張して疲れました」と振り返った。

 昨年8月、部員の不祥事を理由に活動を停止。秋季大会を辞退した。ライバルが熱戦を繰り広げる中、ナインは授業後すぐに下校。一時期は野球へのモチベーションが下がりかけた。秋季全道大会決勝は札幌第一が連覇した。球場で観戦していた大場は「悔しい気持ちでいっぱいだった」と再び闘志に火がついた。

 昨夏から年末まで野球部での練習はなし。大場は自宅の庭で素振りをし、母朋子さん(51)のサポートで羽根打ちを黙々とこなした。ナインそれぞれが甲子園という目標をあきらめなかった。年明けから全体練習が再開。「一体感」をテーマにチームがまとまった。