高校日本代表の早実・清宮幸太郎内野手(3年)が、将来的なメジャー挑戦への思いを強くした。カナダとの3位決定戦では1安打1打点で銅メダル死守に貢献。注目の進路については「まだ決めてません。一番いい選択をする」と話すにとどめた。帰国後、ラグビーのヤマハ発動機で監督を務める父克幸さん(50)らとの家族会議を経て、今月中に表明するとみられる。
清宮の心は、壮大な夢であふれた。世界の強豪と戦ったことで、幼少のころからの夢だった「メジャー挑戦」が明確なものになった。「みんな体も大きいし、球も速いし、スイングも速かった。やっぱり、こういう子たちとやっていると楽しいというか、夢があるなと。雰囲気も自分はすごく好きですし、将来はこっちに来てやりたいなと思った」と話した。
直近の進路については、揺れる心境を率直に話した。「まだ決めてない」とした上で、何を優先するのかと問われ「消去法は嫌なので、やっぱり自分が何をやりたいかとか、しっかり見つけて、一番いい選択ができればなと思います」と言った。地元カナダのラジオ局の取材でも「大学かプロか」の選択肢を挙げた。早大か米国の大学への進学、プロ野球のいずれかで決める。
日本に帰国後、父克幸さんら両親との家族会議を経て、今月中に意思を表明するとみられる。家族の意見を聞くのかと問われると、「そうですね。(父が)早稲田と(母が)慶応なので。やっぱり、大学の良さを知ってるじゃないですか。まぁ、いろいろな話が」と話した。U18W杯で得た経験も踏まえながら方向性を出す。
主将として、史上初の世界一を目指した戦いは3位で幕を閉じた。カナダ戦は1安打1打点で勝利に貢献したが、勝った喜び以上に悔しさが残った。試合後、小枝監督にウイニングボールを手渡した瞬間、目には涙があふれた。「すごい申し訳なかったなと。全然打てなかったですし、もう少し打っていれば決勝にも、世界一にもなれたと思います」と声を震わせた。
今大会通算は32打数7安打で打率2割1分9厘、6打点。2本塁打を放ち、高校通算本塁打は111本に伸ばした。「キリが良かったです。1、1、1で」と話したが、高校2度目の日の丸も苦い経験に終わった。「もしまた、日本代表に入ることがあれば、この悔しさを晴らせればと思います」。次なる舞台での世界一を誓った。【久保賢吾】