エンゼルス大谷やマリナーズ菊池の母校、花巻東(岩手)が延長10回サヨナラ勝ちで、連覇への大きな試練を乗り越えた。同点の延長10回裏2死一塁。4番の水谷公省内野手(2年)が右翼フェンス直撃の適時打を決めた。

殊勲の水谷は、横浜隼人(神奈川)の水谷監督の次男。佐々木洋監督が同校でコーチをしていた縁で、岩手から日本一に挑んでいる。大会前には父に背番号15をもらったことを電話で報告。「父からは『甲子園で会おう』と言われました。神奈川を離れることは、不安な部分もあったのですが、自分1人が県外の選手でも、先輩たちは溶け込みやすい環境をつくってくださった」と感謝する。

チームは1点を勝ち越された直後の9回2死二塁から同点に追い付いた。延長10回の決勝点は、2死走者なしから四球でつなぎ奪った。「3年生にとっては最後の夏なので、終わらせたくない執念で打ちました。夏の怖さも知りました」と引き締めた水谷。父との約束も果たすまで負けられない。【鎌田直秀】