春18度、夏20度の甲子園出場を誇る名門・東北(宮城)が16日、来春センバツにつながる秋季高校野球県大会(19日開幕)の出場を辞退した。五十嵐一彌校長(62)が同日、記者会見して明らかにした。硬式野球部内の暴力行為が理由で、この日、県高野連を通じて、日本高野連に報告した。

 五十嵐校長によると、13日の練習試合の合間に、つりに出かけた2年生部員1人に対し、練習後のミーティング中に2年生の1人が「制裁」として平手打ち。さらに練習解散後、別の2年生1人が、同部員に殴る蹴るの暴行を加えたという。被害部員は全身打撲で入院している。

 野球部は15日から期限未定で活動を自粛した。五十嵐校長は「『暴力のない高校野球を目指すように』という日本高野連の意に介する行為が行われたことを、重く受け止めざるを得ない」と、辞退の理由を説明した。東北は今春センバツに出場しており、2年連続19度目のセンバツの道が断たれた。