<高校野球・春季東北大会:酒田南3-1光星学院>◇14日◇YZ・タカスタ◇準決勝

 酒田南(山形)が安井亮輔投手(2年)の無四球完投の力投で、光星学院(青森)を3―1で下した。フォームがレッドソックス岡島似の期待の左腕が、またも好投手との投げ合いを制した。準決勝は、明桜(秋田)に7-6と辛勝した東北(宮城)と対戦する。青森山田は7回コールドの7-0で帝京安積(福島)に快勝し、2年連続で準決勝に進出した。

 リリースの瞬間、勢いのあまり顔が下を向く。変則フォームの安井だが、放たれるボールは次々とコーナーに決まった。伸びのある直球とカーブで8奪三振。2回に1発を浴びたが「高めに浮いたのを持っていかれただけ」と涼しい顔だ。その後、得点圏に走者を背負う2度のピンチを無失点でしのいだ。

 「メジャーで強い選手たちと戦っているのは、すごい」(安井)とあこがれるレッドソックス岡島ばりの投法。中学から一筋のフォームで、高校1年時にコーチから修正を勧められたこともあったが、安井は「このままの方がコントロールがいい」と拒否。その言葉通り、体に染み込ませた制球力で、この日は無四球で試合をつくった。

 東海大山形との県大会決勝では、地区予選でノーヒットノーランを達成した赤間謙(3年)との投げ合いを制し優勝投手に。そしてこの日はプロ注目の144キロ右腕・下沖勇樹投手(2年)との同世代対決に勝った。15日は、エース萩野擁する東北戦だ。「同じ左腕だけに気になります。燃えますね」。連投となるだけに先発登板は微妙だが、安井の目はギラギラ輝いていた。【由本裕貴】