<高校野球東東京大会:開成24-0蒲田>◇6日◇1回戦

 第90回全国高校野球選手権大会の地方大会は6日、東京など24大会で試合が行われた。東東京では東大合格率1位を誇る進学校、開成が19安打と打線が爆発し24-0と大勝。1回戦を突破した。

 東大合格者数NO・1の進学校開成打線が1回にいきなり爆発した。打者1巡、4安打に4四死球を絡めて6点を奪った。もう止まらない。2回には打者2巡、11安打で16得点を挙げた。終わってみれば、24-0。創部以来最多の得点を挙げ初戦を突破した。それでも東大野球部出身の青木秀憲監督(37)は驚かない。「こういう試合が出来たらいいなあ、と思っていた」と振り返った。

 進学校だけに練習時間には恵まれない。通常は午後5時に下校する規則がありグラウンドも週1回しか使えない。そんな中、選手たちは始業前や放課後にティー打撃や筋トレ等を自主的に行い、不足分をカバーしてきた。やる気の選手たちを信じ、自主性を重んじるのが開成野球だ。青木監督のこの日の指示は「思い切り振り切る」だけ。それでもこんな大爆発、選手は状況を読んで、ノーサインで9盗塁も記録した。

 身長180センチの大型2番打者、岩田大佑右翼手(3年)は5月中旬に左手のひらを疲労骨折し、まだ50%の状態。そんな選手が「試合しながら治すしかない」と覚悟を決め、三塁打と本塁打をかっとばした。他選手も負けられない。1番の番矢大輝中堅手(3年)は3打数3安打し「勢いに乗って、このまま勝ち進む」と意気込んだ。

 05年のベスト16が過去最高成績。昨夏は4回戦で準優勝の修徳に0ー1で敗れた。青木監督は「シード校に勝つ」を目標に挙げてきた。初戦突破ではまだ喜べない。順当に勝ち進めば3回戦で帝京戦が待ち受ける。