<高校野球:アジアAAA選手権>◇29日◇決勝、3位決定戦◇ソウル・木洞野球場

 【ソウル=亀山泰宏】全日本高校選抜(関東選抜)が中国に28-0で5回コールド勝ちし、2大会連続の3位となった。打線が24安打を放って試合を決めた。高校通算69本塁打の筒香(つつごう)嘉智三塁手(3年=横浜)は今大会初の長打となる二塁打を含む3安打を放ち、高校最後の試合を締めくくった。決勝は韓国が台湾に9-2で勝ち、3大会ぶり3度目の優勝を飾った。

 3試合でわずか2得点と苦しんできた打線が最後に意地を見せた。先発全員安打、全員得点の猛攻で中国に完勝し、何とかメダルを持ち帰った。これまでのうっぷんを晴らす攻撃に森士(おさむ)監督(45)は「ようやく自分たちの戦い方ができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 5番の中川貴昭外野手(3年=牛久)が5安打6打点の大活躍。「今日ははまってましたね」と笑いが止まらなかった。本職は投手で、今大会は全試合で外野手として先発しながら2試合に救援登板するなどフル回転した。大学に進学する予定で「投手としてプロを目指す」と意気込んだ。

 ストライクゾーンの違いや木製バットなどに苦しみ、台湾に2敗、韓国に1敗して通算1勝3敗で大会を終えた。森監督は「国際ルールに順応できていない。上のレベルは木を使うのだから、高校から慣れる必要はある」と課題を挙げた。