<高校野球静岡大会:常葉学園橘1-0聖隷クリストファー>◇25日◇準決勝◇愛鷹球場

 聖隷クリストファーの2年生右腕鈴木翔太の力投は実らなかった。178球目、得意のフォークが三遊間深く遊撃手のグラブをはじかれ、左前を転々とした。「決して失投ではなかった…。頭が真っ白になりました」。ベンチに戻っても声を出して泣き続けた。

 春は連投になると失点が増えた。夏に向け「実はあまり好きじゃない」と話す30分間走や自転車で太ももを鍛えるトレーニングを積み重ね、連投に耐える力を蓄えた。静岡、浜松工の強打線を封じ、この日も再三、得点圏に走者を背負っても「ピンチでは集中力を高め、絶対に打たれないと気持ちで臨んだ」と要所を締めた。だが、打線が3安打にとどまった。

 鈴木翔は「これからさらに体力をつけて、フォークをもっと磨く。今、新たにカーブを習得中です」。今大会で手応えをつかんだチェンジアップに続く球種の開発。秋はさらに進化してセンバツを目指す。【岩田千代巳】