<高校野球福島大会:聖光学院4-0光南>◇26日◇準決勝◇福島県営あづま球場

 6連覇を狙う聖光学院は、エース岡野祐一郎(3年)が6安打完封。打線が終盤に相手の隙をついて4点を奪い、プロ注目左腕の光南・佐藤勇(3年)との投げ合いを制した。

 岡野はいつも以上に燃えていた。前日、斎藤智也監督(49)に「負けさせない投手は(岡野か佐藤勇か)どっちだ?

 おまえだろ」と背中を押され、闘志に火が付いた。7回まで両エースが1歩も譲らない投手戦。「我慢比べなら勝つ」と、最速140キロの直球と変化球を低めに制球。気合を前面に出し、最後まで1点も与えなかった。

 打線は執念で1点を取りに行った。7回2死、斎藤湧貴外野手(3年)が「どんな球でも打つ」と12球粘り四球を選ぶ。一、三塁とすると「対佐藤勇だけの作戦」(斎藤監督)と、本盗を敢行。奇襲は阻止されたが、直後の8回、佐藤勇の失策から安西聡外野手(3年)の犠飛で、均衡を破った。

 平野雄馬内野手(3年)も適時打で続き、難敵を破った。甲子園まであと1勝。しかし岡野は「やることは変わらない」と力強く言った。県内75連勝の王者が、負けない野球で6連覇を決めるつもりだ。