<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 5打席連続敬遠、もうしません。第5日第1試合で、大会NO・1スラッガー、岡本和真内野手(3年)擁する智弁学園(奈良)と、強豪明徳義塾(高知)との対戦が決まった。明徳義塾・岸潤一郎投手(3年)はプロ注目の好投手で、馬淵史郎監督(58)は、敬遠回避で高校73本塁打男との真っ向勝負を宣言した。

 怪物・岡本と真っ向勝負だ。馬淵監督は「皆さんは期待されているが、全部敬遠はしない」。伝説の「5敬遠」を暗に示しながら岡本との勝負を宣言した。

 岡本について「すごいバッター。3番に置いているのは敬遠される頭があるから」と称賛しながらも、「岸に力がある。どれくらいやれるのか岸に勝負させたい」と自軍のエースに自信を持つ。「岸は敬遠せんといてくれる?」。抽選後、隣に座った智弁学園の小坂監督に“ジャブ”を見舞う余裕も見せた。

 一方で「敬遠しないとは言いません」とニヤリ。「基本的には敬遠しないけど。7-6とかで、試合の終盤で2アウト二塁とか、勝ちきれる状況だったらある」。甲子園で春夏通算44勝の指揮官らしく勝利にこだわる姿勢を見せた。

 明徳義塾は夏の甲子園の初戦で15戦連続負けなし。「初めてうちが負けるかもわからんのー」と言いながら、「(初戦負けないことを)信じている」と、またまた小坂監督をけん制した。今春のセンバツでは初戦で智弁和歌山と対戦し、今回は智弁学園と当たる“智弁続き”。「高嶋さん(智弁和歌山監督)笑ってるかも」と今回は甲子園に届かなかった名将に思いをはせながら、「神様が決めたことじゃけえ」。再び伝説に残る試合を見せる。【磯綾乃】

 ◆松井秀喜の5打席連続敬遠

 1992年夏の甲子園2回戦で明徳義塾と星稜が対戦。当時星稜の4番だった松井秀喜(元ヤンキース)に対し、馬淵監督は5打席連続で敬遠する策をとった。結果的に星稜が敗れ、明徳義塾が3-2で勝利。異例のシーンは物議を醸した。