<高校野球秋季宮城大会:仙台三5-3仙台東>◇18日◇敗者復活代表決定戦◇仙台市民球場

 仙台三の1年生左腕佐々木博一が投打に活躍して、チームを2年連続26度目の県大会(10月1日開幕)出場に導いた。先発して9回3失点の完投。9番打者としても、2-2の9回1死一、二塁から左前に勝ち越し打を運ぶなど、仙台東を破った。

 背番号10、身長169センチの小さな左腕が大きな仕事をした。仙台三・佐々木が156球の完投&勝ち越し打。「9回はけっこう疲れていたけど気持ちで投げた。打撃はあまり得意ではないんですが」と照れた。

 仙台東に5人の左打者がいることで先発に起用された。9安打を浴びながら、速球とスライダーのコンビネーションで粘りの投球。9回は1点を失った直後に1死三塁のピンチを迎えたが後続を断った。完投はコールド勝ちの7回が最長で、9回を投げ切ったのは初めて。佐々木久善監督(48)は「ピンチに動じずに投げられたかな」と評価。県大会出場をもたらす一打にも「よく打ってくれた」と喜んだ。

 22日から学校の試験が始まる。この日敗れれば、21日に中部地区最後の県大会切符をかけた一戦が控えていた。佐々木の活躍で、ナインは勉強不足のままの試験突入を避けられた。尾崎滉太主将(2年)が右手首捻挫で欠場した窮地も救った。「県大会は相手が強くなる。丁寧な投球で1つ1つ勝ち上がりたい」と佐々木。来月1日の開幕へピッチを上げていく。【久野朗】