<高校野球秋季山形大会:東海大山形3-2九里学園>◇21日◇2回戦◇天童市SC野球場

 東海大山形が延長15回の激戦の末、九里学園にサヨナラ勝利を収め8強進出した。

 2-2のまま進んだ延長15回裏。東海大山形の鎌田憲生監督(34)は「再試合も考えていた」という。2死二塁から打席に立った5番有方琢真(1年)の打球は、三塁へのゴロだった。だがこれを相手野手が一塁へ悪送球。二塁走者の高松秀吉(2年)が快足を飛ばし一気にホームインした。ナインは一斉にベンチを飛び出し、喜びを爆発させた。

 劇的勝利を引き寄せたのは右翼手の藤井拓生(1年)だ。10回表1死一、二塁、15回表2死二塁と、2度のピンチを好返球で救った。いずれも相手右前打を捕球するやいなや、ホームへ矢のような返球。遠投100メートルの自慢の肩で失点を防ぎ「自分のところへ打球がくることをイメージしていた。しっかりボールを返せてよかった」と胸を張った。

 1回戦の酒田東戦に続く、2日連続の延長サヨナラ勝ちに、鎌田監督は「選手は本当によくやったと思う」。さらに先発5選手が1年生の若いチームだけに「こういう戦いに慣れ、しぶとさがついてくれば」と期待した。前日に続く救援登板で、11回から5イニングを無失点で切り抜けた有方も「今日のような粘りを今後に生かし、センバツまで勝ち上がる」と、目標の甲子園へ自信を口にした。【成田光季】