<高校野球秋季東北大会:東日本国際大昌平2-2花巻東>◇24日◇2回戦◇宮城・石巻市民球場

 東日本国際大昌平(福島2位)と花巻東(岩手1位)は延長15回で決着がつかず、引き分け再試合となった。昌平は公式戦初先発の右腕藤田拓朗(2年)が200球を投げ抜き、花巻東は2投手の継投で互いに1歩も譲らなかった。再試合は今日25日に行われる。

 東日本国際大昌平が粘りに粘った。今秋から投手に転向したエース藤田が、甲子園常連校を相手に被安打8の2失点で15回を投げ抜いた。2-2の15回裏、最後の打者を左飛に打ち取ると、にっこり笑顔で「明日もまた強いチームと試合ができる!」と喜んだ。

 自身初の東北大会で、初戦のマウンドを任された。「練習試合でも緊張する性格なので、かなり緊張した」というが、最速135キロの直球にチェンジアップ、カットボールなど4種の変化球を織り交ぜ、5回まで無安打ピッチング。7回に2失点し、同点に追いつかれたが、その後はゼロ行進を続けた。「延長も200球も初めて。こんな試合になるとは…」と試合後は興奮冷めやらぬ様子だった。

 今秋からエースナンバーを背負う。中学で投手経験はあったが、高校入学後は野手1本。新チーム始動と同時に投手不足のため、転向した。だが8月上旬の守備練習中に左手首の靱帯(じんたい)を損傷。約1カ月間投球練習ができず、地区大会前日にチームに合流。県大会でリリーフ登板を重ねることで「投げ込み不足を補ってきた」と急ピッチで調整を続け、この日の好投につなげた。

 秋季東北大会の引き分け再試合は、10年の一関学院-酒田南戦以来4年ぶり。藤田は「明日も自分が投げたい。今日で自信がついた。やるからには勝ちたい」と意気込んだ。【成田光季】

 ◆日程変更

 東日本国際大昌平対花巻東が今日25日に再試合となったことにより、準々決勝は明日26日と2日間で行われる。27日に予定されていた決勝は28日となり、会場もコボスタ宮城から石巻市民球場に変更となった。