<センバツ高校野球:甲子園練習>◇18日◇甲子園

 第81回選抜高校野球(21日開幕)に向け、鵡川(北海道)が甲子園で公式練習を行った。エースの西藤昭太(3年)はマウンドから捕手を立たせたままの投球でマウンドの感触を確認。あこがれの選手として甲子園で活躍した桑田真澄、清原和博両氏(元PL学園)の名前を挙げ「少しでも(2人に)近づけるよう頑張りたい」と決意を新たにした。5年ぶりの大舞台に、チームの士気も上がってきた。

 北の剛腕が大甲子園に思わず武者震いした。30分間の練習時間の最後に、西藤は3分ほどマウンドに立った。「ここで試合をするんだな、と思いました。マウンドは投げやすかった。自分には合っていると思います」。練習後は、感触を思い出しながら、かみしめるように話した。

 少年野球の「砂川スティッカーズ」時代からずっとあこがれてきたKKコンビと同じ舞台に、初めて立つことができる。エースとしては桑田氏のように、3番打者としては清原氏のように、自分も輝きたい。そんな思いが「少しでも(2人に)近づけるように頑張りたい」という言葉になって出た。

 調子は徐々に上がってきている。17日に本番前最後の練習試合を五条(奈良)と行い、3回だけだったが1安打無失点、5奪三振と結果を残した。16日の初芝橋本(和歌山)戦では最速141キロを計測。4番打者でもある柳田恭平(3年)が16イニング無失点を続けているが、「先発のマウンドは譲りません」と負けん気をむき出しにする。

 04年以来5年ぶりの舞台となる佐藤茂富監督(68)は「甲子園がこんなに立派になり、年がいもなく緊張してしまった」と笑わせた。そして、駒大苫小牧の夏の全国連覇(04、05年)に触れ「春も(我々が)北海道民に意地を見せて頑張りたい」と、全国の報道記者にアピールした。「目指すは全国制覇」(森泰一主将=3年)あるのみだ。【本郷昌幸】