東海大相模(神奈川)のプロ注目右腕、一二三慎太投手(3年)が日本ハム・ダルビッシュが操る魔球「ワンシーム」習得を目標に掲げた。21日に開幕する第82回選抜高校野球大会の開会式リハーサルが20日、甲子園で行われ、参加32校が勢ぞろいした。一二三はリハーサル後、練習会場の大阪・富田林市の此花学院で99球を投げ込むなど、本番モードに突入。大会初日は関東から花咲徳栄(埼玉)、日大三(東京)が登場する。

 行進を終えた一二三が、野球少年のように魔球の話題に乗り出した。ダルビッシュが投げる新球「ワンシーム」の情報は、大会直前でも敏感にキャッチ。「すごいですね。いつか投げたい」と目を輝かせた。現在はカーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップを操る。変化球の精度も、スカウトから高い評価を受ける要因になっている。

 ただ高校では封印する。ツーシームなどのムービング系のボールは「今覚えると、真っすぐがいかなくなる」と、次のステージまで投げる気はない。ワンシーム習得は、将来の球種として胸に秘めた。

 ダルビッシュの開幕戦は、練習時間と重なり観戦できなかったが、ブルペンで99球を投げた。「バランスが良くなった。あとは気持ち」と表情は明るい。試合まで中4日あるが、「毎日投げます。100球ぐらい」と完投宣言した。