<センバツ高校野球:帝京3-2神戸国際大付>◇26日◇1回戦

 帝京(東京)に逆転負けを喫した神戸国際大付(兵庫)の岡本健投手(3年)は気丈に夏を見据えた。「負けを引きずっていては夏に戻って来られない。もう3カ月もありません」。2月下旬に起きた腰の異変。3月14日に1試合3イニングを投げただけで3試合登板を回避。一時は腰つい分離症の疑いがあった。だが大会開幕直後に急性腰痛と判明。その後、めざましい回復を見せた。新球サークルチェンジも要所で使い、帝京打線を6回まで無得点に封じた。

 7回2死二塁でベースカバーが遅れ、一塁内野安打にした。「空気が変わった」と青木監督は交代を決め、岡本は左翼へ。2死満塁での捨て身のダイビングキャッチで救援の大川を救い、全身で勝利への執念を見せた。苦しみながらあこがれの阪神藤川と同じ場所にたどり着いた。「甲子園は楽しかった」と大黒柱は確かに成長した。【堀まどか】