右肘痛で故障者リスト(DL)入りしているレッドソックス松坂大輔投手(30)が、右肘靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受けることが確実となった。

 かつては投手人生を左右すると言われた「トミー・ジョン手術」も、米国内では確実に印象が変わった。医療とリハビリの技術が大幅に進歩したこともあり、最低2年とされていた治療期間も大幅に短縮。それどころか、手術した選手が「球速が3~4マイル(5~6キロ)は速くなった」と言われるほど、移植手術へのマイナスイメージはなくなってきた。実際、他球団の某トレーナーは、松坂の状態を伝え聞いて「なぜ、すぐに手術しないのか」と首をかしげた。

 確かに、日本球界の中に「米国ではすぐにメスを入れる」との印象があり、それも否定できない。手術の可否についても、選手個々の症状、年齢による違いもあるだろう。だからこそ、今回の松坂は、球団の担当医だけではなく、ヨーカム医師の「セカンドオピニオン」にも耳を傾け、最善の策を探った。

 ケガや病気と闘う上で最も重要なことは、本人の治そうという意思とも言われる。「1度折れた骨は、以前よりも強くなる」との言葉もある。故障、手術を経験した松坂が、これまで以上の力強さを携えて、マウンドに戻ってくる日を心待ちにしたい。【四竈衛】