<アスレチックス7-2ダイヤモンドバックス>◇3日(日本時間4日)◇オークランドコロシアム
【オークランド(米カリフォルニア州)=広重竜太郎】アスレチックス松井秀喜外野手(37)が「ゴジラビーム」で今季初補殺を記録した。ダイヤモンドバックス戦、4番で今季7試合目の左翼守備に就き、8回2死満塁からの左前打を、好返球で二塁走者をホームで刺した。打撃では日米通算500号本塁打はこの日もお預けとなったが、約1カ月半ぶりの3試合連続安打をマーク。4カードぶりの勝ち越しを黒子役で導いた。
イチローのように群を抜いた強肩ではない。だが松井の右肩から繰り出される正確な送球も、プロ19年で培った職人技だ。6点リードの8回表2死満塁。フルカウントから三遊間を突破された打球が松井の前に転がる。自動的にスタートを切った二塁走者のヤング。昨年自己最多の28盗塁をマークした俊足走者は楽に生還できるはずだった。
ここにスキが生まれた。「普通だったら余裕でセーフだと思うけど、捕った時にまだ三塁ベースにいたので、どうかなと思いながら投げた」(松井)。素早いモーションから右肩を振ったワンバウンド返球がパウエル捕手へ。滑らずにホームを駆け抜けようとしたヤングは余裕で刺された。松井は、はやし立てるブルペンの投手陣に対して「どや顔」ならぬ「どや肩」で右肩を2回グルグル回した。「投手たちがこっち見て笑っていたので冗談でやっただけ」。パフォーマンスも思わず出るほどの盛り上がるプレーだった。
安全圏の点差があったとはいえ、昨年5月5日以来の松井の補殺に対し、首脳陣の評価は高かった。メルビン監督代行は「試合の中で大きなプレーだった。あの後は(主軸の)モンテロが代打に控えていたからね」と称賛。ウォーラー外野守備走塁コーチは「一番驚いたのはヤングだったんじゃないか?」と敵の度肝を抜いて満足そうだった。
バットでは約1カ月半ぶりの3戦連続安打で、逆転のホームも踏んだ。一方で日米通算500号本塁打は14戦、62打席で足踏み。今カードで4年ぶりの盗塁、1年ぶりの補殺が生まれたが、次に待たれるのは、やはりメモリアル弾だ。



