<ヤンキース5-4ブルージェイズ>◇27日(日本時間28日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキースのイチロー外野手(39)が「認定アシスト」に驚いた。珍しいプレーはブルージェイズ戦の4回1死三塁の守備で、イチローはやや深めの右飛を捕球し、本塁へワンバウンド返球。滑り込んだ三塁走者のエンカーナシオンをアウトにできるタイミングだったが、スチュワート捕手がタッチの際にミットに収まっていたボールをこぼし、追加点を許した。

 ただ記録員はすぐに「得点は捕手の失策によるもので、打点は付かず、右翼手に補殺が付きます」と記者席にアナウンスした。このプレーで今季初の補殺が記録されたイチロー自身も目を丸くし、「珍しいですね。初めてだね。ということは、アシスト(補殺)が付いたということですか?

 ヘー、珍しい。バッターはたまらんだろうけどね」と笑みを浮かべた。

 打撃では2本の左前打を放ち、今季5度目のマルチ安打で5試合連続安打とした。この5試合は19打数8安打の打率4割2分1厘と復調ムード。ただ、打撃の完成度を問われると「いや、そんなのに完成はないよ」とぽつり。自分のやっていることが正しいと思うかとの問いには「そう信じたい。(春先はたまたま結果が出ることもあるが)それも、そうじゃないと信じたい。これは時間がたたないと分からない。それで毎年苦労しているわけですから」と、珍しく天才の苦悩をさらけ出していた。【水次祥子】

 ◆公認野球規則10・10(a)(1)(抜粋)

 あるプレイでアウトが成立した場合、または失策がなければアウトにできたと思われる場合に、そのアウトが成立するまでに、またはその失策が生じるまでに、送球したり、打球あるいは送球をデフレクトした各野手に補殺を記録する。