<ヤンキース2-0ツインズ>◇12日(日本時間13日)◇ヤンキースタジアム
ヤンキース黒田博樹投手(38)が、ツインズ戦で意地を通して8勝目を挙げた。試合途中で1時間以上の雨天中断があったものの、降板を促すコーチの説得を振り切って異例の続投。毎回得点圏に走者を背負ったが、5回6安打無失点で6月19日以来の白星を手にした。これでメジャー計29球団目からの勝利で野茂英雄氏に並び、日本人初の全球団制覇に王手をかけた。
黒田が、珍しくごねにごねた。試合開始から降り続く雨が強まり、4回裏の味方の攻撃中に中断が決まった後だった。ベンチ裏に入ると、待ち構えていたジラルディ監督から、降板を意味する握手を求められた。だが、「せっかく4日間かけて今日のために準備してやってきた」と降板を拒否。4回までピンチを招きながらも無失点に抑えており「点も取られてない状態でマウンドを降りるというのは極力避けたい」と続投を望んだ。
最低限、先発投手の勝敗がかかる5回までは何としても投げたかった。ロスチャイルド投手コーチからは降板するよう2度説得されたが、意思を貫いた。08~11年に在籍したドジャース時代にも、1時間の中断後に続投した経験があると言い張った。「(コーチから)38歳のときの話かって言われたんで、それは違うと言って、ちょっと言い合いというか、そういう感じになりました」と言う。
首脳陣から交代を促されても、中断中はクラブハウスには戻らなかった。体を冷やさず、気持ちを切らさないためにベンチ裏でバイクをこぎ、キャッチボールをして過ごした。首脳陣はとうとう根負けし、黙々と準備を続ける黒田のもとにロスチャイルド投手コーチが試合再開の時間を告げに来た。1時間13分の中断後、5回のマウンドに上がった黒田は「自分で(続投を)言った手前、どうしても抑えたかった」という強い気持ちで続投。2死一、二塁のピンチに陥りながらも無失点でその回を投げきった。
「1勝するのはつくづく大変だと思った」と笑みを浮かべた黒田の続投志願に、ジラルディ監督は「打線や救援から援護がないから、続投したかったのかもしれない」と話した。黒田はこれで防御率は2・65となってア・リーグトップに躍り出た。タイガースに勝てば30球団制覇となる。
▼黒田がツインズから初勝利を挙げ、大リーグ計29球団から勝利。日本人投手最多だった野茂に並んだ(ドジャース戦だけ未勝利)。未勝利のタイガースとは8月9日から3連戦があり、登板日が合えば今季中に30球団勝利を達成する可能性もある。【水次祥子】



