今日27日に1軍合流する阪神松田遼馬投手(21)に「8回の男」計画発動や! 首脳陣は守護神呉昇桓につなぐセットアッパーとして、負傷離脱したベテラン福原の穴を埋める存在として注目。今後の実戦で8回に登板させ、経験を積ませながら、「8回の男」に育て上げるプランがいよいよスタートする。

 リリーフ陣の緊急事態も4年目松田がいた。中西投手コーチが「これから8回を実戦で投げさせていく」とプランを明かした。首脳陣はオープン戦で8回の登板経験を積ませる予定。さらに、シーズンを想定し、ブルペンでの過ごし方や調整を予行演習させる狙いもある。松田を「8回の男」に進化させるプラン。実行に移される時が来た。

 昨年まで8回のマウンドを主に任されてきたベテラン右腕福原が右内転筋挫傷でキャンプを離脱。和田監督も「1カ月ほどかかるだろう」と長期離脱を示唆し、開幕ピンチの状況にある。安藤-福原-呉昇桓という「勝利の方程式」の1つのピースを欠いた状況。穴を埋めるには松田の成長が鍵となる。

 昨シーズンも松田に8回を任せるプランがあった。しかし、当の松田が2年連続でキャンプで故障し、出遅れたためお蔵入りに。今春のキャンプは故障防止のため、2軍高知・安芸キャンプで約1カ月を過ごした。

 久保2軍投手チーフコーチからは「シーズン序盤から活躍してもらわないといけない投手。しっかりトレーニングしてもらわないといけない」と、体幹トレーニングやランニングなどを中心に基礎部分からみっちりと鍛え抜かれた。今日27日に1軍合流予定で、明日28日にはオリックスとの練習試合(安芸)に1軍初登板予定。28日は8回に登板予定ではないが、3月から「8回の男」計画は本格化する。

 松田も「2年間失敗したので、今年こそはという気持ち。開幕1軍、1年間1軍にいたら50試合の数字も見えてくると思う」と今年に懸ける思いは熱い。昨年は日本シリーズも経験。着実に経験を積んできた。最速153キロの力強い直球を武器に、チームの危機を救う。【宮崎えり子】